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マインドの重症化

【常に陽性者中心の報道であったか?】


いつまでも新規陽性者数中心の報道でよいのかという話が出ているけれど、東京の陽性者数が少ない時は全国の重症者数が過去最多だとか、全国の死者数が過去最多という見出しが踊っていたと記憶しているので、この一年半ずっと陽性者数中心の報道をしてきたんじゃなくて「その時その時の過去最多の数字中心の報道」をしてきたというのが本当のところでしょう。逆に「昨日の都内の退院者数」だとか「過去最多の退院者数」なんて報道は聞いたことがないので、正確には「人が不安になる数字中心の報道」だ。


好き勝手出歩いて今感染しても入院できないかもしれませんよとか、現場は限界だから家に居ろと医療従事者がSNSで発言するのも見かけるけれど、その人が本当に医療従事者がどうかはさておき、本当のプロなら「我々に面倒をかけてくれるな」なんて言うわけがない。壊れた部品を修理する工場で働いている感覚なのかもしれない。ただ治すだけで生活を指導するということがなければそのように思ってしまうのもしょうがないのかもしれない。だとしても、国民に対して怒りをぶつけていてはメディアの思う壺であって、本当に怒らないといけないのは増えない病床であり、一年半経っても町医者が診ないことであり、診にくい原因となっている指定感染症の分類の問題であり、もっと振り返れば「常に満床にしないと経営が成り立たない」コロナ以前からのシステムの問題と、考えないといけないことは山ほどあるのに「出歩くな」はないだろう。早く野戦病院を作れと言うが、近所の町医者は今週から例年通り1週間のお盆休みだ。医療の逼迫とはなんだろう?


【生活様式が重症者を増やす】


お子さんに消毒のやり過ぎはよくないことを説明をするのに「バイキンマンを殺しちゃうとアンパンチのやり方がわかんなくなっちゃうよ」と言うのだが、最近は大人でもこの説明でいいやと思って使っている。免疫というのは筋肉と同じで常に使うことで鍛えられる。しばらく溜めていくということはできないのだ。前もって何から何まで消毒するということは免疫力を発揮せずに済むということなので、その間どんどん力は衰えていく。1年ぶりに出くわしたバイキンマンにいつものアンパンチが繰り出せるだろうかという話。デルタ株は感染力が強いというが、感染力が強くなっていくということは毒性は基本的には弱くなっていくということであって、にもかかわらず重症化する人が増えているとすればそれはその人のアンパンチが弱体化しているのではないか。RSウイルスも今年は爆発した。極端に抑えればその後極端に増える。新しい生活様式はコロナだけでなく「ただの風邪が重症化しやすくなる生活様式」だということに早く気づいたほうがいい。

【生活習慣が重症者を増やす】


極度の肥満が重症化の原因になるのは従来の風邪も同じ。BMIという肥満度を表す指数があるけれど、被害の大きかったアメリカは国民の3分の1がBMI30以上とのこと。

(180cm100kgでBMI30、日本基準はBMI25以上で肥満)

もちろんイギリスでも肥満率の高さが問題になっている。アメリカでは自粛生活で平均18kg太ったなんて話もあって、とにかくスケールが大きい。日本で重症化した人がインタビューに答えていたりするけれど、やはり極端な肥満体型の人が目立つ。例によって「デルタ株の恐ろしさを知りました」と言うだけで今までの生活習慣は振り返らない。スピリチュアルな言い方にはなるがコロナ騒動は「このまま人間の好き勝手やるのはよくないよ?」という地球のメッセージでもあるのだが、躍起になるのはワクチン接種。人間はどこまでも傲慢になれる。


ワクチン自体に必ずしも反対ではないけれど、

・偏りのない食事をすること

・十分眠ること

・適度な運動をすること

・日光浴をすること

・ストレスをためないこと


これらをすっ飛ばして「つべこべ言わずに打て」という姿勢にはどうにも疑問がある。コロナ以前はこれらが健康に重要だと啓発していたはずの立場の人たちが、これらを鼻で笑うのはなぜだろう。



【制度が重症者を増やす】


発熱しても近所の町医者が診てくれないとなれば風邪だろうがインフルエンザだろうが何だってパニックだ。発熱相談センターに電話→検査している病院へ行く→自宅で検査結果を待つ→保健所からの連絡を待つ。こうした間に重症化する人はあっと言う間に重症化するわけで、制度が早期の診断と治療を妨げている。自宅療養するにしても、適切な療養ができる人なんて少ない上、連絡を取れる相手が保健所の人しかいないというのも心許ない。入院が必要になってきた人かどうかを保健所の人に判断させるのも酷な話で、せめてテレビ通話でいいから医師が各患者を診断しないと状況は変わらない。満足な療養ができないのはホテル療養でも同じ。何回も言うけど数日間ホテルに閉じ込められたら、既存の風邪でもインフルエンザでも悪化するだろう。

 

重症化する人が増えているという前提で書いてきたけれど、これが初めての事態かというとそうではなくて、2019年も2018年も一定の人が夏風邪をこじらせ、ごく僅かの人が入院していたはずで、その数が去年も今年も極端に増えているわけでない。「死者が増えないのは夏だから」と言うと狐につままれたような顔をする人がいるけれど、当たり前のことがわからなくなる程度に麻痺している。「コロナは風邪じゃない」と言う人は逆に風邪に対してどういう認識を持っているだろうか?


「あくまでも"日本では"今まで起こっていたことが可視化されたレベルに留まっている」のだから、そろそろ日常に戻りたいところだけど、この秋も冬も「これまでで最大の危機」と叫ぶあんな人やこんな人の顔が浮かぶ。国民がマインドと行動を変えるしかない。

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