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肛門締め


p.43 「理髪業者にマスクをかけさせよ」100年前の感染症騒ぎ

当時の投稿欄のなかにはトンデモも散見された。

「朝日」の読者は、「僕が実行している感冒除けの法」として「肛門締め」なるものを紹介している。いわくー。

「諸君、試みに肛門を締めてごらんなさい。体にどんな変化が起こりますか下腹に力がはいり、口は堅く閉ざされるでしょう。そして神からもらった鼻というマスクが働きだします。これがもっとも単純で根本的な感冒除けです。またこれを不断に実行すれば不断の健康が得られます。」(1920年1月17日朝刊3面)

 

著者は当時のトンデモ投稿として紹介しているけれど、整体ユーザーはこれを笑えるだろうか?書いてある内容はまさに日々稽古していることだし、なんなら当時の整体ユーザーの投稿じゃないかと思ってしまうくらいだ。整体ユーザーじゃなければ中村天風の心身統一法実践者か?


「神からもらった鼻というマスク」と書かれると笑ってしまうけれど、鼻にフィルター機能があるのはたしかで、鼻毛が塵を取り、鼻粘膜には微生物の侵入を防ぐ免疫細胞が多く存在し、鼻から入った空気は加温・加湿され気管を痛めない。マスクを付けるということはこれらの機能を使わないということになるので、使わない機能は衰えていく。鼻に備わったフィルターだとか、自然に備わっている免疫それらがまるで存在しないかのような勢いで、マスクで守るしかない、ワクチンで守るしかないという。免疫なんてデマと言われる日が来るのだろうか?


下腹に力を入れる。下腹の力が抜ける。この違いも心と体にたしかに作用する。

例えば食卓に出された刺身を食べた後に「これ4日前のだったわ」と言われても、「ウーム」と下腹に力を入れれば多少痛んでいても体に作用しないが、言われた瞬間に「ハッとして」下腹の力が抜けてしまうと、本当はその日買った新鮮なものであっても具合が悪くなるということはある。


こういうことが感染症の検査でも起こる。陽性と聞いても気にしない人は何もないし、重症化するような体ではない人でも陽性と聞いた瞬間に「重症化したらどうしよう、死んだらどうしよう」という悲観的な想像が働いてどんどん具合が悪くなっていくこともある。ホテルで誰にも会えずに隔離なんて一番悲観的になる状況なので早くやめたらどうだろうか。


時代が狂っている時こそ輝くものもある。

胡散臭い民間療法、トンデモだと言われるのは上等で、それでも効果があると体で実感しているから稽古を続けるのだ。外から怪しく見えても入ってしまえばそれほどでもない。

ポップに肛門を締めよう。

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